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伊与久 達夫; 坂場 成昭; 中川 繁昭; 橘 幸男; 笠原 清司; 川崎 幸三
Nuclear Production of Hydrogen, p.167 - 176, 2006/00
来るべき水素社会では大量の水素が必要となるが、高温ガス炉の熱を熱化学IS法に用いれば、水分解により二酸化炭素を排出せずに大量の水素を製造することが可能である。これは原子炉による水素製造という新産業創出として期待されている。日本初の高温ガス炉HTTRは2004年4月に世界で初めて原子炉出口冷却材温度950Cを達成し、ISプロセスに必要な原子炉側の準備は整いつつある。本報では、HTTRによる原子炉出口冷却材温度950Cを達成するまでの試験実績を述べるとともに、ISプロセスを接続するために必要となるHTTRを用いた今後の試験計画及びHTTRにISプロセスを接続するHTTR-IS計画について報告する。
栃尾 大輔; 中川 繁昭
JAERI-Tech 2005-041, 109 Pages, 2005/08
定格熱出力30MWのHTTRでは、原子炉で発生した熱を加圧水冷却器,中間熱交換器による熱交換を経て、最終的に加圧水空気冷却器により大気に放散している。HTTRの主冷却系熱交換器は原子炉出口冷却材温度850C/950Cを達成しつつ原子炉で発生した30MWの除熱を行わなければならず、主冷却系の熱交換器は設計時に定めた伝熱性能を有していなければいけない。本報では主冷却系に設置されている熱交換器のうちの加圧水空気冷却器(ACL)について、HTTRにおいてこれまで実施してきた出力上昇試験,供用運転のデータからACLの伝熱性能の評価及び設計値との比較を行い、実際に設置されたACLが設計時に要求された伝熱性能を有していることの確認を行った。さらに、外気温度に対する出力100%時の原子炉の除熱について検討し、ACL入口における空気温度が設計で想定した33Cの条件において、原子炉で発生した熱を除熱する能力を有していることを確認した。
栃尾 大輔; 中川 繁昭
JAERI-Tech 2005-040, 39 Pages, 2005/07
定格熱出力30MWの高温工学試験研究炉(HTTR)では、原子炉で発生した熱を加圧水冷却器,中間熱交換器による熱交換を経て、最終的に加圧水空気冷却器により大気に放散している。HTTRの主冷却系熱交換器は原子炉出口冷却材温度850C/950Cを達成しつつ原子炉で発生した30MWの除熱を行わなければならず、主冷却系の熱交換器は設計時に定めた伝熱性能を有していなければいけない。本報では、HTTRにおいてこれまで実施してきた出力上昇試験,供用運転のデータから、主冷却系に設置されている熱交換器のうちの中間熱交換器(IHX)について伝熱性能を評価した。また、設計時におけるIHXの熱交換性能との比較を行い、設計時に用いたIHX伝熱性能評価手法の妥当性を検討した。
坂場 成昭; 橘 幸男; 小貫 薫; 小森 芳廣; 小川 益郎
Nuclear Engineering International, 50(612), p.20 - 22, 2005/07
日本原子力研究所大洗研究所における高温ガス炉HTTRでは、2004年4月に原子炉出口冷却材温度950Cを達成し、核熱利用への道を拓いた。また、同研究所における熱化学IS法による水素製造では、2004年6月に30NL/hの閉サイクル連続水素製造に成功した。本報では、原研における、高温ガス炉及び水素製造開発の概要を述べる。
川崎 幸三; 伊与久 達夫; 橘 幸男; 中澤 利雄; 後藤 実
Proceedings of 13th International Conference on Nuclear Engineering (ICONE-13) (CD-ROM), 8 Pages, 2005/05
高温工学試験研究炉(HTTR)は、2004年4月19日に、原子炉出口冷却材温度950Cを達成した。原子炉出口冷却材温度950Cの達成は、発電以外の分野への、核熱利用の拡大を図るものである。高温ガスタービンを用いた高い熱効率の高温ガス発電炉,二酸化炭素の放出を伴わない水からの水素製造等に、核熱を利用することができる。本報は、HTTRの高温試験運転結果についてまとめたものである。
足利谷 好信; 川崎 朋克; 吉野 敏明; 石田 恵一
JAERI-Tech 2005-010, 81 Pages, 2005/03
高温工学試験研究炉(HTTR)は、平成11年9月16日から出力上昇試験が開始され、出力上昇試験(4)の定格運転モード(原子炉出口冷却材温度850C,原子炉熱出力30MW)の単独・並列運転に続いて、平成16年3月21日から平成16年7月7日にかけて、出力上昇試験(5)として高温試験運転モード(原子炉出口冷却材温度950C,原子炉熱出力30MW)の単独・並列運転を実施し試験は無事終了した。本報は、高温試験運転モードの出力上昇試験(単独・並列運転)における原子炉運転中及び停止後の放射線モニタリング結果についてまとめたものである。高温試験運転モードの放射線モニタリング結果は、定格運転モードと同様に、原子炉運転中における作業者が立ち入る場所の線量当量率,放射性物質濃度等は、バックグラウンドであり、また、排気筒からの放射性物質の放出もなく、放射線レベルは十分低いことが確認された。なお、定格運転モード(原子炉出口冷却材温度850C,原子炉熱出力30MW)の出力上昇試験における放射線モニタリングデータについても一部掲載した。
伊与久 達夫; 中川 繁昭; 高松 邦吉
UTNL-R-0446, p.14_1 - 14_9, 2005/03
HTTR(高温工学試験研究炉)は、原子炉出力30MW,原子炉出口冷却材温度(定格運転850C/高温試験運転950C)の黒鉛減速ヘリウム冷却型の高温ガス炉である。HTTRでは、高温試験運転モードでの出力上昇試験を行い、高温試験運転モードで使用前検査に合格するとともに、炉心及びプラントの特性を評価するに必要なデータを取得した。本研究会では、高温試験運転モードで実施した出力上昇試験結果の概要を紹介する。
藤川 正剛; 林 秀行; 中澤 利雄; 川崎 幸三; 伊与久 達夫; 中川 繁昭; 坂場 成昭
Journal of Nuclear Science and Technology, 41(12), p.1245 - 1254, 2004/12
被引用回数:89 パーセンタイル:97.75(Nuclear Science & Technology)日本初の高温ガス炉HTTRは、2004年4月19日に最大熱出力30MWで、原子炉出口冷却材(ヘリウムガス)温度950Cを達成した。出力上昇試験の最終段階として実施された高温試験運転では、原子炉の特性及び性能が確認され、また安全,安定運転のための種々の運転データが蓄積された。原子炉出口冷却材温度950Cの達成により、高温ガスタービンによる高効率発電が可能になるとともに、水を原料とした水素製造に十分な温度を達成したこととなり、原子力の非電力分野での利用の可能性が広がったことになる。今回の成功により、高温ガス炉を用いた水からの水素製造の実現に向けて大きく前進した。本報は、HTTRの高温試験運転の試験結果について述べたものである。
川崎 幸三; 伊与久 達夫; 中澤 利雄; 林 秀行; 藤川 正剛
日本原子力学会誌, 46(8), P. 510, 2004/08
日本原子力研究所の高温工学試験研究炉(HTTR)は、平成16年6月24日までに原子炉出口温度950C運転(高温試験運転)にかかわる性能試験を計画どおり全て終了した。高温試験運転は、本年、3月31日から開始し、4月19日には1次加圧水冷却器のみを用いた単独運転により、世界で初めて950Cの高温のヘリウムガスを原子炉から取出すことに成功し、引き続いて、6月2日からは1次加圧水冷却器のほかに中間熱交換器を用いた並列運転での性能を確認してきた。並列運転での性能試験の結果、HTTRの冷却系統の除熱性能、1次遮へい体の遮へい性能及び高温機器の特性等全ての試験項目について設計どおりの性能を有していることを確認、6月24日使用前検査に合格し、HTTRの性能試験を全て終了した。
川崎 幸三; 伊与久 達夫; 中澤 利雄; 林 秀行; 藤川 正剛
日本原子力学会誌, 46(5), P. 301, 2004/05
日本原子力研究所の高温工学試験研究炉(HTTR)は、平成16年3月31日より冷却材の原子炉出口温度950Cを目指した試験を実施してきたが、4月19日14時27分に、最大熱出力30MWで原子炉出口での冷却材(ヘリウムガス)温度950Cに到達した。